個性を磨く
10月29日(火)
【経験値 バリエーションが ものを言う】
子どもの性格は、本当に様々。
同じ家に生まれた兄弟、姉妹であっても与えられている環境は同じでも、嗜好や苦手分野も大きく異なっていますね。
不思議な程全く違う性格となり、「友達関係も実にはっきりとそれぞれに特徴が出ていて・・。」
と、よくお母様からもご相談を受けることがあります。
2,3年に一度ぐらいの割合で、双子のお子さんをお預かりする機会がありますが、2人とも全く違ったものに関心があり、そのことに私もとても興味が湧いてきます。
ひとりは本当に慎重派。人の動きをしっかり観察してから、行動し始めます。
もうひとりは、新しいことに出会うと、すぐにキラキラと目を輝かせて興味深々。
もうじっとしてはいられません。
何年か前に、こんな男の子の双子の兄弟と一緒に、楽しい時間を送ったことがあります。
お母さんにとっては、初めての子育てで、いきなり2児の母。
ましてや男の子ということもあり、当然じっとしておとなしく・・というには程遠く、ただただ時間が休む間もなく過ぎ去っておられました。
日々、次々といろいろな出来事が繰り広げられます。
活発なひとりは、教室にあって家にないものを見つけると一目散に突進していき、食い入るように観察しています。
好奇心旺盛で、すぐに手にとってどうなっているのかを確かめないと気がすみません。
そんな様子を、もうひとりは、椅子に座ってニコニコしながら、見つめていました。
お母さんは、ひとりには落ち着きを、もうひとりには、ほんの少し積極性を持って欲しいと願っておられましたが、なかなか上手くはいきません。
「毎日が、戦場のようです・・。」
と、つぶやきながら話しておられました。
しばらくすると、2人に平等に同じものを・・との思いから、スイミングスクールへ通いはじめました。
しかし、予測は出来たことですが、2人の進むペースが瞬く間に違ってきて、数か月すると同じ時間に通わせることが出来なくなってきました。
ここで、初めてお母さんは、
「平等について考えてしまいました。」
と、相談に来られました。
「同じものを与えることが重要ではなく、同じようにそれぞれが充実感を感じているかが大切なのかもしれませんね。」
「それぞれの個性を認めて、違っていて良いのだということを当たり前のこととして受け入れること。」
こんな風にお話した記憶が、今でもよく思い出されます。
同じ環境の中で過ごしても、観たり聞いたりした時の感じ方は、それぞれに違っています。
だからこそ、個性が磨かれるのではないでしょうか。
様々な経験が大切であることに変わりはありませんが、そこでどう感じたかは、個々に違っているからこそ、
自分の歩いていく方向が見えてくるのだと思います。
多くの経験が、それぞれの自分の引き出しに、ひとつずつしまいこまれていくのだと思うと、毎日が本当に楽しくて仕方がない気がしています。
今日はどんな経験をひとつ積み上げてくれたのでしょう・・・ね