子どもにつけたい本当の力
10月26日(土)
【1分間 スピーチまとめる 子どもたち】
子どもたちと接していると、あらゆる場面でドリル不足を痛感します。
「どっちにする?」
「では、200字以内でまとめてみて。」
「あなたの意見は?」
基本の学びは学校で習ってはいますが、その基本をベースとして自分で創意工夫をおりまぜて意見を述べたり、要約したりと言うことを求めると、とたんに元気がなくなります。
大人の良かれと思うあまりの日頃のお膳立てが、結果的には考える場面を激減させてしまっていることに、大人は気付かなければなりません。
選択する場面は、自分でしっかり選択させる。
聞くことや教えてもらうことが学習になってはいませんか?
お母さん。
我が子が何かで少し迷った様子をみると、
「こっちがいいんじゃないの?○○がたくさん入っているよ。」などと、誘導してはいませんか?
先日、国語辞典を手にしてやってきた子どもが
「先生、この辞書なんか引きにくい。本屋さんでみたもう1冊の方が分かりやすかったんだけど・・。」
「どうして、そっちを買ってもらわなかったの?」
「なんかこの辞書の方が、言葉がたくさん載ってて長く使えるらしいから、これがいいんだって。」
と、やや納得がいかないと言った顔で話してくれました。
お母さんはきっと、語彙数の多い辞書が・・との思いから、この辞書を選ばれたのでしょう。
しかし、実際に辞書を引いて使っていくのは、子どもです。
本人の見やすさをまず第一に優先してやるべきではないでしょうか?
学年に応じてと決めるというよりは、自分にあった辞書を選ぶべきですね。
このケースも、先読みをしたお母さんの想いが、子どもに判断させる機会をある意味奪ってしまったともいえると思います。
たとえ、違う方が良いのでは・・と、思ったとしても選ばせる時は大人の意見を入れないで考えさせてください。
もちろん、失敗も多々あるでしょう。
でも、この失敗は必ず次のステップへと繋がっています。
考える場面をことごとく省かれていて、ある場面ではお母さんに
「自分で決めなさい。」と、突然迫られる子どもたち。
どうしてよいのかわからなくても仕方がありません。
教室では、自分で考えて答えを出したり、自分の意見を積極的に発言させたりすることをとても大切にしています。
発表など人前で話すことは、ここちよい少しの緊張とともに、経験を重ねることで自信へと繋がります。
また、人の発表を聞くことで、自分の足りない部分も見え始めています。
1分間スピーチは、たった1分を積み重ねることで、大きなかけがえのない力となります。
いろいろな楽しいバージョンを取り入れて、ドリル数をどこよりも経験出来る教室であり続けたいと思っています