国語の学習について
1月21日(土)
国語は漢字や慣用句のような覚えるものは別にして、なかなかすぐには成果が見えにくい教科です。
教材を選ぶ際に、いつもあれこれと子どもたちの顔を思い浮かべながら、まずは、楽しく取り組めるかを
考えて厳選します。
3年生までの取り組みでは、出来るだけイメージしやすい文章のものから、入るようにしています。
経験がなくとも、なんとなくはイメージ出来るものなら読んでいる文章の風景や場面が頭のなかに描きだされています。
幼稚園児や低学年の子どもたちに何よりも大切にしていることは、お話しやお絵かきを通して表現することのできる力の育成です。
見るもの・聞くもの・感じるもの・・・。きらきらひかるものがいっぱいです。
この時期に、たくさんのお友だちとの関わりや遊びを通して、子どもたちは一つずつ、自分専用の引き出しの中に様々な形で情報をインプットし、貯め込んでいます。
そして、作文を書いたり、長文問題の読解の時などに、しまっておいた引き出しの中から、必要なものや、使えそうなものを選び出してきて、並び変えたり、くっつけたりして答えを出していきます。
たくさん遊びの経験があるということは、それだけ引き出しに詰まっている情報も豊富だということですよね。
あとはほんの少しだけ、使い方を習得すれば、もう私の出番はほとんどありません。
何年か前に、幼稚園の子どもたちとチュ―リップのお花のちぎり絵をしたことがありました。
どの子も、まっすぐにピンとしているチューリップを一生懸命制作しています。
しかし、グループの中にひとりだけ、茎の部分が曲がり首をさげたチューリップをもくもくと作っている女の子がいました。
後ろで見ていたその子のお母さんが、見かねて声をかけました。
【なんで、そんなに曲がっているの?】
【みんなの、見てごらん・・・。おかしいよ。】
でも、女の子はもくもくと、作っています。
そばにいって
【どこで見たチューリップさん?】と問いかけてみると、
【昨日、風がいっぱいふいてたから、幼稚園で咲いてるチューリップさんはこんなチューリップさんになってたよ。】
とお話ししてくれました。
日常の何気ない風景の中で、心が育っていることが、嬉しいですね。
まさしく、自学が出来ています。
この子の引き出しには、風の強い日に頑張っていたチューリップの光景がしっかりしまってあったのですね。
とってもとってもすてきなチューリップが出来上がった事を今でもよく覚えています。
子どもたちの感性は、いろいろな発見とともに広がり続けています。
国語の世界へつながる第一歩だと思いませんか?