ほんの少し離れてみませんか?
5月31日(火)
【勇気持ち 初めの一歩を かみしめる】
先日、久しぶりに数年前に教室を巣立って、今年大学受験にチャレンジする生徒からメールが届きました。
学校の様子や近況報告など、しばらく会っていなくても、教室での出来事が、つい昨日の事のように思い出されます。
この教室の初めの第一歩は、甲東公民館の幼児のリトミックでした。
始めは広い公民館の講堂に、わずか3、4人の小さな会でした。
それでも、子どもの成長をすぐそばで見守っていけるこの時間が私にとっては、かけがえのない時間でした。
そのころ、我が子を産んで直後だったこともあり、リトミックの時間は、母乳を冷凍させては保育所でお世話になっていました。
週1回とはいえ、自分の中にはいつもずっと我が子のそばにいてやった方が良いのでは・・と、葛藤がありました。
それでも、あえて、ほんの少しの時間でもそれぞれの時間を持つべきだとどこかで感じていました。
我が子が可愛くて、あれもこれも出来る事ならしてやりたい・・。
自分が親になったとき、そう思われた方も大勢いらっしゃると思います。
でも・・。
ほんの少し離れて過ごす時間が、より一層我が子と向き合えるきっかけとなったと、今振り返ると感じています。
オギャーとこの世に生を受けた時も、一人で頑張って生まれてきた我が子。
その生命力には、本当にものすごいパワーを感じますよね。
私は、子どもは天から御預かりして、子育てをしながら、自分が人生をどう歩んで行けば良いのかを考えなさいと与えられえているのだと捉えています。
自分たち親が子どもを育てるのではなくて、子どもを天から授かり、子どもを通していろいろな経験を積むことで、親である私たちが学ぶ機会を与えてもらっているのではないかと感じています。
だから、親の思い通りに育てていく・・というのは、少し違うのではないかと考えています。
ついつい、オギャ―と生まれたその瞬間から、あれもこれもしなくちゃいけない・・と、頑張ってしまい、見失っていることが多いように感じませんか?
我が子という意識が強すぎて、知らず知らずのうちに親の思い入れはどんどん大きくなるばかり・・。
でも、生まれる時も天寿を全うするときも人間はひとりです。
個人の人生なのです。
最近強くそう感じています。
進むレールを用意しすぎては、子どもは自分の意志を持てなくなります。
今、何をすべきかと常に考えられる一人でありたいと思います。
少し離れて見つめると、見えてくることがたくさんありますよ。
子どもの自立を見守る勇気を持ちましょう。