自立のすすめ
10月10日(金)
【思考力 幼き日々の 遊びから】
今は子どもたちの主流となっている遊びはゲーム関係。
でも、学校から帰ってランドセルを置いたと同時に公園に一目散・・といった頃には、当然ゲームなどで遊んでいる子はいませんでした。
野球や缶けり、鬼ごっこ・・・。
子どもたちは、みんなで集まりルールを決めて自由発想のもと、遊びを考え出していました。
教室のコンセプト通り、『工夫を楽しむ想像力』が自然に身についていた訳です。
今は本当に恵まれている時代だと言われていますが、本当に恵まれているのかと考えてしまいます。
恵まれているというよりは、与えられ過ぎている時代。
ある意味、以前の方が恵まれていたのではないかと考えてしまうことがあります。
何かを思いついたり、自分たちで創り上げていったりという機会が今はとても少なくなっています。
思考力テキストに取り組むと、いかにそういう機会に恵まれず考えてこなかったのかを痛いほど感じる場面があります。
先日も
「正方形の紙を使って考えてみたい・・。」と、4年生が折り返しの問題に取り組もうとした時でした。
「先生、折り紙ない?」
「折り紙はないけど、ミスプリの紙は使って良いから、正方形を作っていいよ。」
と、話した時でした。
すぐに正方形が出来ると疑うこともなかったのですが、正方形をどうやって作ればよいのかが分からずに困惑している様子。
「先生、正方形をこのA4の紙で作るのは無理ですよね。」
「どう折っても長方形にしか出来ません。」
真顔でそういって紙を片手にやってきました。
隣のグループで、1年生は何枚も正方形を作って楽しんでいます。
幼かった頃、裏紙でお絵かきしたり、折り紙で遊んだ経験のある子にとっては、何でもないことですが、正方形を作る作業からかなりの時間を要する子どもにとっては、思考力の積み上げは根気のいる作業となります。
考えながら進めていく経験は、こんなところでも、大きな差をつけてくるのです。
どうか、与えずに考えさせてください。
それが、自立する初めの第一歩につながっています。