観察力
12月27日(木)
子供たちが本当の意味で自主的に判断し、行動していけるには様々な場面を経験していく必要があると思っています。
大人の私たちでさえ、初めての場所に出向く時や、初めてのことに取り組む時はやはり少し緊張します。
しかし、中には「全然平気」と言う人もいます。
このタイプの人は、日頃から物事をよく観察しています。
電車に乗っている時。
繁華街に買い物に出かけている時。
今日は、こんな人たちがこの時間に多いのは何故なのかなあーなどと、考えながら電車にゆられている。
何気ない風景の中でも、考えたり、想像したりということはいくら欲張ったとしてもそれをとがめる人はいないですね。
もちろんいつもそんなことばかり考えてね・・と、言っているわけではありません。
ですが、こどもたちの視点から観察して感じることはたくさんあると思います。
まわりを見わたすゆとりを持っていて欲しいと思います。
忙しくあわただしく過ごしていると、「気づいて欲しい・・」と、思うものがいつもスル―されています。
自分の家の付近の新しいお店をみつけた男の子。
先日近くにオープンしそうなパン屋さんの話を本当に嬉しそうに話してくれました。
「先生、いつもここまで歩いてくる途中にずっと空き地だったところが、工事してたんだ。」
「新しくパン屋さんが出来るみたい。」
「ぼく、絶対パン屋さんか文房具屋さんがいいなと思ってたんだ。」
「そうなんだ。でも、どうしてパン屋さんか文房具屋さんが良かったの?」
「パン屋さんは、近くにパンだけ売っているお店がなかったし、いつもお母さんに頼まれて朝の食パンを買いにいくのが
少し遠いコンビニで、近くに出来たら嬉しい・・が、理由。」
「きっと、ぼくの近くの人は新しいパン屋さんがはやくオープンすればいいと思ってるはずだよ。」
「朝は、パンを食べる人が多いもんね。」
「文房具屋さんは、自分の貯めたお小遣いで、シャーペンやマーカーペンがいつでも買いやすいから・・。」
なるほど・・
自分の中で、きちんと分析もできています
この子はいつも歩いてくるか、自転車でくるかなのですが、自分ひとりの時間を楽しんでいます
いつも教室にくると、
「今日はいつもの信号が3つとも青続きで運がよかった。」とか、
「先生、今日は寒くなるのかな?バイクに乗ってた人がみんなマフラーしてたよ。」とか、
その日教室にたどりつくまでに多くの気づきがあり、報告してくれます。
なんでここには、○○がないのかなあ・・。
どうして今日はこんなにこんでいるのかな・・。
などと、思いを巡らすことのできる子は、いろんな場面で想像力をはたらかせ、問題解決の糸口を自分で見つけることへと繋がっています。
観察力を養うには、ゆとりのある自分の時間を持てている事が絶対条件なのかも知れません。
あまり急かせてばかりだと、見て考え学ぶことは難しいような気がします。