忘れ物から学ぶこと
3月24日(金)
【忘れ物 意識改革 プラス転換】
ブログにも書いていますが、忘れ物は子どもたちにとっての永遠のテーマ。
わかってはいるけど・・・と、なかなかゼロにはなりません。
昨日、授業にやってきた3年生。
教室に到着してカバンを開けると、国語のテキストがありません。
机の上に置いたまま、入れ忘れてきたようです。
「先生、文作はかせ忘れてきちゃった」
「でも、今日は文作はかせ進める約束だったね。」
「・・・。」
「じゃあ、今から取りに帰ってきて。待ってるから。」
「え!」
「だって、今日ないと困るもんね。」
いつもなら、お母さんに連絡して持ってきてもらえないかと言いたいところなのでしょうが、今日は時間も早く良い機会だったので、取りに帰らせることにしました。
生活マナーも身についていて、挨拶もきちんと出来る女の子。
でも、困った時にはいつも誰かが助け船を出してくれるので、自分で!という意識が持てずにいます。
この春休み。
4年生に上がる前に、ひとつステップアップして欲しいと強く感じていました。
「今から一人で取りに帰るの?」
いつもお迎えには必ず来てもらっているので、不安な気持ちが顔をのぞかせています。
「今、来た道を反対に戻って帰って、本を持ってもう一度来てね。」
「先生、一緒に行こう?」
「忘れ物をしたのは○○ちゃんだよね。」
「じゃあ、取りに帰らないとね。」
「わかりました。」
今日は、頑張ってみようと思った表情です。
帰り道のスタート地点まで付き添って、
「ここで待ってるから、ひとりで行っておいで。」
と、送り出しました。
家までは子どもの足で10分弱。
なんどもなんども振り返りながら、家へと戻っていきました。
多分、初めての経験です。
ひたすら待ちました。
15分後。
暑かったのか少し薄手のコートに着替えて、手にはテキストを持ち、戻ってきました。
「忘れ物をしたのは残念だったけど、ちゃんと車や自転車に気をつけながら戻ってこれたのは偉かったね。」
と、声をかけると、
「すっごくしんどかったから、もう忘れ物しないようにします!」
と、答えていました。
いつもなら、忘れ物を届けてくれるお母さんに、
「今から取りに帰らせるので、そのまま送り出して欲しい」
と、伝えていました。
小さなことかも知れませんが、子どもにとって、こういう経験は必要だと感じています。
これがきっかけで一切忘れ物がなくなることはないかも知れませんが、それでもひとりで出来る事を見守ってあげれば、変化が現れるのではと思っています。
子どもは、親が思っている以上に、ちゃんとひとりで頑張れます。
指示したり助け船を出すことは、簡単です。
でも、一人で出来るように手を貸さない勇気を持って欲しいと思います。
子どもが社会の一因として自立するために、まわりの大人がどう対応すればよいのか考えていきたいですね。
一緒に見守り、育ちをサポートしたいと思っています。
「ひとりで出来た!」
この経験数が増えることが、自信となって生活面にも学習面にも変化が表れてきます。
子どもって、本当に素晴らしい力を持っていますよ